第17章 仲の悪いガールズバンド3
貴方side
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バイトが終わった零さんと共に、近くの貸しスタジオにやってきた
残念ながら今は全室使用中らしく、1時間ほど待たなければならないみたい
安室「まあ、1時間くらいなら待ちますか?地下に休憩所もあるようですし…楽器を借りておけばコードや単音で曲の雰囲気ぐらいは教えられますしね…」
世良「へぇ…あんた、ベースも出来るんだ?」
安室「ええ…君の兄の友人よりうまいかどうかは保証できかねますけどね…」
零さんの一言に、ムカついたのか真純が刺々しい態度で彼に突っかかる
零さんがここまで素っ気ない態度は、多分真純が赤井さんの妹だからだろう
以前、赤井さんに密かに聞いた。真純が妹であると
真純はまだ、沖矢昴が赤井さんだと気付いてない
貴「……ほら、休憩所に行きましょ!」
安室「……ええ、そうですね」
世良「…ああ」
動かない2人の背中を押しながら、地下の休憩所へ歩いていく
★★
地下休憩所に着くと、零さんはギターとベースを私と真純に教えてくれた。
真純は兄の友人に教えてもらったこともあり、ドレミの音階を弾いて見せる
蘭「世良さん、すごーい!」
世良「ただドレミを弾いただけだって…」
拍手して湧き立つ蘭と園子。照れ臭そうに謙遜した真純は普段の男前な感じじゃなく可愛いさがある
世良「まぁ、兄貴の友人に教わったのはこれくらいだけどね…」
安室「そのベースを教えてくれた男の顔…覚えてますか?」
世良「まあ…なんとなく…でもどうしてわかったんだ?その友人は男だって…」
安室「まぁ…なんとなく…」
またもや、お互いの探り合いが始まり苦笑しながら見てる私とコナン
すると…
?「みんな、気合抜けすぎじゃないの!?ライブまであと一週間しかないんだよ!?こんなんじゃ間に合わないって!」
全「!?」
突然の大声に思わずビクつく、そちらを見ると他にも女性四人組のグループがいて、声を上げているのはその中の一人
聞く限り、彼女達は練習内容の反省をしているようだが、盛り上がっているというよりピリピリしている空気が漂っている。やがてニット帽を被った女性が立ち上がり、休憩所の外へ向かおうとしてる