第12章 容疑者は熱愛カップル11
貴方side
目暮「だがねぇ、毛利君…ワシの知り合いのソムリエに聞いた話だが…スクリューはコルクを突き抜けない位置までしか入れないと言っておったよ。
コルクが古くなった年代物の超高級ワインなら、突き抜いて開ける場合もあるようだが…そんなワイン、この店には…」
小五郎(コナン)「確かに、ソムリエナイフのスクリューに普通ワインは付いてませんが…それは山田さん、貴方が本物のソムリエだった場合ですがね」
山田「!」
目暮「何!?」
比護さんと沖野さんに、ワインを注いでいた時のことを思い出す
小五郎(コナン)「山田さんはコルクを抜いた後、臭いを確かめずにテーブルに置きました。あれはソムリエならあり得ない行動だ。
プショネと言って、コルクを作る過程で残った洗浄液などが原因でワインが劣化し、コルク臭がしてしまう事がありますからね。
ワインが数十本に一本出てしまうというのに、なぜそれを確かめなかったのか」
山田「…っ」
ソムリエなら常識のはずなのに、ソムリエとしてやってはいけないことをしている山田さん
小五郎(コナン)「それに山田さん、貴方はタバコを吸ってますよね?」
山田「!!」
小五郎(コナン)「味覚を大切にするソムリエは、タバコは厳禁。男子トイレで大量に見つかったタバコの吸い殻は全て同じ銘柄でしたが…長くてフィルターに噛んだ跡があり、根本まで吸ってもみ消した2種類の吸い殻がありました。
あれは2人の男の吸い殻…あの量からすると、客ではなくこの店のスタッフ」
鴻江「…」
小五郎(コナン)「片方は鴻江さんが吸った物だが、もう片方は山田さんが吸った物だ。フィルターに付着しておる唾液を調べれば、すぐに分かりますよ。貴方が偽のソムリエだとね!」
山田「…っ」
貴「…そろそろ証拠も見つかる頃ですし…」
山田「しょ、証拠って…一体どこにあるって…」
哀「厨房のゴミ箱の中…ついさっき…私が見つけて今、鑑識さん達が調べてるわ!」
貴「哀、ナイスタイミング。息切れしてるけど、大丈夫?」
哀「大丈夫よ、怜花さん」
息を切らしながら、哀が廊下に立っていた