第19章 【第三幕】月を渇望する太陽
【ダンデ視点】
が俺のマネージャーになって、一週間があっという間に経った。がマネージャーでいてくれる時間は、あと三ヶ月しかない。その間に彼女を俺に振り向かせなければ、きっとはガラルに帰ってこないんじゃないか、不安が俺の心を蝕もうとする。
「おはようございます、ダンデさん」
振り返ると、しっかりとスーツを着こなした。朝日で煌めく髪が綺麗だ。
----ああ、今日も早起きしてよかった。
早起きは苦手だ。いつもマネージャーにドアを叩かれていたのに、そんなカッコ悪い姿をに見せたくなくて、苦手な朝も頑張って起きている。 少しでも君と長くいれるように、君と少しでも話しができるように。
は本当によくやってくれる。早く仕事を覚えようといつも一生懸命だ。 わからないところはすぐに聞いてくれるし、オリーヴさんにもよく話を伺っているところを見かける。本当に一生懸命頑張ることはいいことだが、時々無理をしているようにも見える。
その一生懸命なところを、あのインゴとエメットに利用されたと思うと、今でも不快な気持ちにさせる。
だから今度こそ間違えない。俺が彼女を守る。もうに悲しい涙は流させない。
そして、俺の横で笑顔で歩いているを見ていると、あの夜明け前にキスされた唇の端が熱を持つ。
『…ムカつくから、”これ”は私がもらってくから…』
あの時は何を言っているのかわからなかった、彼女の言っていた”これ”とは、多分、俺への想いと記憶だ----それに気が付いたのは、との会話だ。 は俺とのバトルは覚えているが、俺に負けた後からは何も覚えていないと言われた。
今日もは笑顔だ。あの夜明け前の彼女が、消えたと同時に、記憶も想いも奪ってしまった----だから、今日もは俺の想いも気が付かないし、はキバナが好きなままだ。