第19章 【第三幕】月を渇望する太陽
「でも、君はいつも笑顔だ。スタッフのみんなも話しかけやすいって言ってたぞ」
「えっ、本当ですか!?」
それはちょっと嬉しい。
社会人、愛想と報連相は大事。前世で嫌というほど学んだからね!
私がひそかにガッツポーズをしていると、ダンデが小さく笑った。
「君がいると空気が明るくなる」
「……そ、そう、ですか? わ、私はただ普通に仕事をしているつもりなんですけど…」
むしろ必死なんですけど!?
「君は”普通”のつもりかもしれないけど--君が一生懸命努力していることは、見ていて分かる」
ダンデは穏やかに笑いながら、歩幅を少しだけこちらに合わせた。
「それに」
「はい?」
「君といると、毎日楽しそうだってよく言われる」
「……へ?」
一瞬、頭が止まる。
寿命に悪い。主にオタク的な意味で。
ダンデは楽しそうに目を細めると、少しだけ歩く速度を緩めた。
「実際、俺もそう思ってる」
「!」
ダメだ、この人。距離感がおかしすぎない?
……いや、これは私の受け取り方が変なのか?
朝日を浴びた紫色の髪が、やっぱり綺麗に光っている。
……ほんと、どこのシャンプー使ってるんだろ。