〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第6章 訓練兵団
食堂への道のり並んで歩くと、ミケとジルの身長差はかなり差がある。
同じ十二歳には見えなかったのでジルはミケに歳を聞いてみることにした。
「ねぇ、ミケって凄い大きいけど十二歳…ではないよね?」
「あぁ、俺は十五だな。
お前は…」
そこまで言ってミケはジルをチラッと見た。
その視線に気付いたジルはミケが“何か”を言う前に口を開く。
「やっぱり私より歳上だった。
私は十二。
だから小さくて当たり前なの!
これから大きくなるの!
子供扱いしないでね!」
身内を亡くしてからというものの、ジルは無理に大人ぶった言動を取っていたが、このミケという男と話していると年相応な子供らしさが出てしまう。
そんなジルにミケはそうか、と少し笑い気味に一言呟き頭を撫でた。
「ちょ─子供扱いしないでってば!」
慌ててミケの手を振り払うも、その口調がなんとも子供じみた言い方だった。
その様子にミケはついには口を抑えて笑いだしてしまう。
「もう!
やっぱり一人で行く!
ミケもお一人でどうぞ!」
そう言うとジルはミケを置いて一人で食堂へズンズンと歩みを進める。
そんなジルを後ろから笑って見ていたミケはジルに置いてかれぬよう歩き出した。