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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第6章 訓練兵団


「ミケだったわよね。
貴方も同じ当番だなんて偶然ね。
さて、さっさと終わらせちゃいましょう」

そう言うジルに対し、ミケはまじまじとこちらを見ていた。
それに気づいたジルは眉をひそめミケに問う。

「そんなに見て何か不服でも?」

「いや、すまない。
お前みたいな小さな女が薪割りなんかできるのかと思ってな。
そもそも、そのなりでよく兵士になろうと思ったものだ」

軽く馬鹿にされている気がしてムッとしたが、同じ年頃の女子より小さいのは理解していたので、ミケの気持ちもわからなくはない。

「馬鹿にしないで。
薪割りだって何度も経験してる。
力も必要だけれど、薪割りはコツさえ掴めば力任せにやるより早いでしょ?」

開拓地にいた一年は、薪割りもそうだが、重い鍬や鋤を持ち畑仕事をしたり、重い水汲み等重労働を率先してやってきた。
兵士になる為にこの小さな身体でも力をつけようと。

ミケに見せつけるように素早く上手に薪を真っ二つに割っていく。
屈伸運動をする様に腰を落とせば、そこまで力は必要なく薪を割れる。

「その様だな」

その様子を見ていたミケはフッと笑うと、己も手早く薪を割っていった。


本日課せられた分の薪割りを二人は、ササッと終えればジルは夕食を摂ろうと食堂に向かおうとした。
だが、またもやこの男─ミケに呼び止められる。

「そう直ぐに離れられると傷つくじゃないか」

そんな事一ミリも思ってもないくせにと心で毒づくジルは、面倒くさそうに振り返った。

「何か用?
私、お腹すいてるから早く食堂に行きたいんだけど」

嫌そうな顔をするジルに苦笑いをするミケは一つ提案をする。

「それなら、調度良い。
一緒に食堂に行こうと誘おうとした」

「一人で行けば良いじゃない。
まぁ、別に良いけど…」

ジルは不思議そうにしつつも、ミケと共に食事を摂るため食堂へと向かった。
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