• テキストサイズ

〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第6章 訓練兵団


部屋を出たジルは、ふと廊下の窓から見えた外に出たくなり、その場を後にした。

外へと出たジルはそこから見える空を眺めた。
鳥たちが自由に空を飛んでいる姿を、ジル羨ましそうに眺める。

ボーっとしてたせいか、 ジルの背後より近づく存在に彼女は気づかなかった。


スンスンッ──

「──ッ!?」

何の気配もなくいきなり鼻をすする音が自分のすぐ後ろから聞こえ、慌てて振り向くと
ジルより歳が上だと思われる男が立っていた。

「なッ、何なんですか!!」

匂いを嗅ぐような行動を取った男に驚くジルは、男から離れ詰問する。
そんな激高するジルに男は口角を密かに上げ、フッと鼻で笑った。

「なッ!?」

人の匂いを嗅いでおいて鼻で笑う失礼すぎる男とかかわり合いたくはないので、踵を返しその場から立ち去ろうとした。
……が、この男に呼び止められ、立ち去る事も出来ずに振り返った。

「おい、お前。
さっき教官の説明の時、笑ってたのはなんでだ」

「笑ってなんかないわよ」

身に覚えのない事を言われたジルは首をかしげ不思議がる。

「あの教官が公平に躾けると言った時、お前は口角を上げて笑ってたぞ」

あぁ、あの時の事か、とジルは思い出した。

「笑ったかどうかは分からないけど、教官が厳しくするって言ってた事に上等だ、望むところだ!と思ったのよ。
それより、人の匂いを嗅ぐだけ嗅いで鼻で笑うなんて失礼な人ね」

ジルは男の質問に答えると、男の失礼な行動に対して指摘した。
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp