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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第2章 美しき過去の日々


話をしながら歩いた二人は書店に着くとカランと鳴るベルが取り付けられている扉を開け、ジルはカウンター奥の椅子に腰かけ本を読む母の元へ駆け寄った。

「お母さん!ただいま!
夕ご飯用と朝ご飯用のパン買ってきたよ!
それでね、これ家に置いたらエルヴィンの所に遊びに行ってもいい?」

早くエルヴィンの所へと遊びに行きたいのかジルは矢継ぎ早に母にそう伝え、母の返事を急かすように母の顔を覗き込んだ。
そこへエルヴィンがジルの母へ声をかける。

「おばさん、こんにちは。
学校帰りの道中にジルを見掛けて一緒に帰ってきたんです」

「エルヴィン君、いつもうちの子が悪いわね。
エルヴィン君が良ければうちの子と遊んでもらっても良いかしら?」

「僕もジルと一緒にいるのが好きなんで、
勿論大丈夫です」

ジルの母はエルヴィンに迷惑をかける事になるのを懸念しつつ、エルヴィンの一緒にいるのが好きという言葉を嬉しく思った。
そして、母は娘に向き直り口を開いた。

「ジルいい?
エルヴィン君の言う事よく聞くのよ。
エルヴィン君を困らせたりしちゃダメだからね?
お父さんももう少ししたら帰ってくるから、そしたらお母さんがエルヴィン君のお家にあなたを迎えに行くわ。
だから迎えに行くまでちゃんと良い子にしてるのよ?」

ジルはコクコクと頭を縦に振り母に元気いっぱいに返事をした後、そわそわと動く素振りをみせ、横にいるエルヴィンを見上げる。


「エルヴィン!
すぐ置いてくるからちょっと待っててー!」

ジルはそう言うや否や、バタバタと扉に向かっていき勢いよく店の外へと出ていった。
ジル一家の居住スペースは店の裏にある階段を昇っていくとエントランスになる為、ジルは外へ出ていったのだった。
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