• テキストサイズ

〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第6章 訓練兵団



良く晴れ渡った空に男の恫喝する声が響いた。

「おい、貴様!
優秀な兵士とはなんだ!」

訓練兵団を象徴とする交差した二本の剣がモチーフのエンブレムが施された兵服を着た体格の良い初老の男が一人の若き訓練兵に問う。

「誰よりも多く巨人を削げる兵士か民間人をより多く守れる兵士であります!!」

模範的な回答をする訓練兵にこの初老の男、訓練兵団教官ゲオルグ・ハルトマンは言った。

「いいや違う。
お前の言う兵士は物語の中の英雄か何かか?
そんな兵士はここの訓練兵団に必要ない!
俺が、貴様らクズ共に求める優秀な兵士とは…
より個を無くし、命令に忠実である兵士だ!
スキルも大事だが、兵士は命令に忠実であって然るべきだ!
俺が貴様らに教えるのは、戦い方と戦いにおける“心構え”だ!」

そこまで言ってハルトマンは訓練兵達を見回し、再び声を上げた。

「俺は厳しいが、誰に対しても平等に厳しくしてやる。
差別はしない、男も女も誰でも公平に躾てやる!ありがたく思え!」

なんとも横暴な教官だが、ジルは特に不満に思うこともなかった。
兵士になるのだ、遊びに訓練兵団に入団した訳じゃない。
この教官が言う事は最もである。
望むところじゃないか、ここでの三年を死に物狂いで学び尽くしてやる。
そして、三年後には壁の外へ真実を確かめに行くのだ。
そう覚悟を決めていたはジル睨むように前を見つめる。
そんなジルの様子を一人の人物が見ていた。
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp