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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第13章 変革の一翼


リヴァイは後ろの追っ手を確認した。
その数は四人。
再び前を向き、追っ手から逃れるルートを思考する。
憲兵団にしては数が少ない。
同じことを思っていたのかファーランが言葉にした。

「奴ら今日はずいぶんと少数だ」

この言葉に反応したのは三人の内唯一の紅一点であるイザベルだ。

「フッ
また憲兵団か。
懲りない連中だぜ…」

イザベルは己が言った台詞に悦に入る表情をみせた。
そしてそのままリヴァイへと投げかけた。

「なぁ兄貴!!
今の台詞、カッコよくね!?」

これに対してリヴァイは冷静にイザベルへとツッコむ。

「馬鹿か。
なんにしろこのままアジトまで招待するわけにはいかねぇ。
面倒くせぇが…」

リヴァイはここで一度言葉を切り、
二人の仲間の名を呼ぶ。

「ファーラン」

「おう」

「イザベル」

「おう」

名を呼ばれた二人はリヴァイに返事を返す。
それを確認したリヴァイは追っ手を振り切るため地下街上空から急降下し街中へ突っ込んでいく。

「いくぞ!」











「エルヴィン!
ゴロツキ共が街中に逃げる!
このまま撒かれたら面倒だぞ」

ミケの意見は最もだった。
エルヴィンもそれは分かっていた為、こう答える。

「分かっている。
いくら地下街といえど、大立ち回りでもして被害者を出しては…と思っていたが、そうも言ってられないらしい。
相手に合わせてやる必要は無い。
速度を上げるぞ」

そう言うと先頭を行くエルヴィンはリヴァイ達に追いつくために速度を上げた。
ジル達三人も速度を上げリヴァイ達を追う。




リヴァイ達は街の地面スレスレに人とぶつかる勢いで飛んでいく。
確かに地下街にいるゴロツキにしては良い動きだとジルは思った。


街中での立体機動を披露してくれる彼等にそろそろ決着を付けようかと思っていると、前方に巨大な柱が見えてきた。
地下に巨大な空洞がある上で重要な役目である柱は地下街にはいくつもあった。
その柱をゴロツキ達が過ぎるか否かで彼等はその柱にアンカーを打ち込んで急旋回してきたのだった。
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