〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第12章 二人の想い
「とにかく、お前は隙が多すぎる。 調査兵団は直接巨人共と闘う戦闘集団だ。
中には血の気が多く、女に飢える輩もいる。
こうやって牽制して留まってくれる男ばかりじゃない事を学んでくれ」
「隙って…
別に私そんなぽやぽやしてないと思うけど」
寧ろそんな好まれる性格はしてないはず。
それでも女というだけで、見境なく襲ってくる男もいるのだろう、とジルはエルヴィンの言い分に無理やり納得する。
「何も間の抜けた女が狙われると言ってる訳じゃない」
エルヴィンはジルの頬に手を添えて親指で頬を撫でる。
「…え?」
「入団してからお前を見ていたが、愛想さえないが、綺麗な顔立ちをしたお前を己の欲情をぶつけてお前のその人形のような顔を歪ませて汚してみたい、なんて言う男は少なくないはずだ。
男とはそういうものだ…」
「え?ちょっと、それは…
というか、男とはそういうものだって、エルヴィンもそんな事思ってるの?」
「フッ…どうだろうな」
「あっ!ずるい!」
「なら、そう思ってるって言ったらどうするんだ?」
エルヴィンはジルの腰に手をやり、グッと己の方へ引き寄せた。
そしてジルの耳元へと顔を近づけると、そのまま耳を甘噛みする。
「ひゃっ!ちょ、ちょっと!
エルヴィン耳は…!」
「知らなかったな、お前耳が弱いのか」
エルヴィンそう言うとジルの耳の縁や裏側に舌を這わせジルの反応を楽しむ。