〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第12章 二人の想い
「今日の団長が喰われた時、混戦状態になってお前の安否が分からなかった時に初めて気づいたんだ」
何を気づいたのだろうか、そう思い下げていた頭を上げエルヴィンの綺麗な青い瞳をジルは見つめた。
「ジル、俺はお前が大事だと。
マリー…その給仕の女が好きだと思ったのも、幼い時に別れたお前が大きくなったらこんな女性になるんじゃないかと思ったんだ。
それで彼女に惹かれたんだと…」
エルヴィンのいう大事というのがどういう意味合いでの言葉かは分からないが、ジル目を見開き驚いた。
「心のどこかで思っていた事があるんだ。
調査兵団でお前と再会して、お前が俺の所に来たとなれば、俺はもうお前を離してやれる事ができないだろう、と。
再会した時には完全に気づいていた訳ではないが、きっとそういう事だったんだろう」
「えっと、そういう事ってどういう事?」
エルヴィンからの告白にジルは急展開過ぎて話についていけず、話を理解できなくなっていた。