〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第12章 二人の想い
「同性の同期じゃなくてもミケやローエンといった異性の同期とも一緒に出かけなかったのか?」
「それって、デートになっちゃうじゃない」
ジルはエルヴィンからの質問にくすくすと笑って答える。
「あ、あぁ、確かにそうだな。
なら、デートはしたのか?」
「意地悪な質問ね…」
エルヴィンからのこの質問にジルの笑っていた顔は急に眉を八の字させ切なそうに困る表情になっていた。
この表情を見たエルヴィンは、内心焦った。
そう、ジルは己の事を少なからず想っているはずだというのはエルヴィンにも分かってる。
そんなジルに他の男とデートはしなかったのか、という問いはジルにとっては意地悪な質問以外のなにものでもないだろう。
ジルは自分の想いをエルヴィンに知られていると分かってるはずだから。