〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第12章 二人の想い
「壁外はやっぱり人類に優しい所では無かったのは確信したかな。
目の前で仲間が喰われそうになった時
、周りに誰もいない、判断を下すのは自分。
自分の決断が仲間を救ったなら良い。
だけど、失敗したら?
そんなこと現場では考えてる暇は無かったけど、壁内へと戻ってきて考える時間ができた時、急に怖くなった…
壁外がどんなものか分かってたつもりだった。
遊びでは無いことも重々承知の上で調査兵団を選んだ。
でも、それでもあんなに簡単に人が死んでいった…
そして、人間はなんて非力なんだろうか、って…」
ジルは先程まで悩んでいた悩みを少し変えてエルヴィンに話した。
「なら、辞めるか?
今ならまだ間に合うぞ」
「それは…出来ない…
怖いけど、もっと辛い目に合うかもしれないけど、私にはもうこれしか無いもの…
今更、他の生き方なんて出来ない…」
ジルはエルヴィンの顔を見ることが出来ず、下を向きながらそう答えた。
ジルが下を向いていると、エルヴィンが注文した品が運ばれてきた。
「まぁ、こんな話はそろそろ辞めにして、まずは空腹を満たそうか」
エルヴィンはそう言うと運ばれてきた品を食べ始める。
ジルもそれに倣い当初の目的である食事を始めるのだった。