〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第12章 二人の想い
「それで壁外調査はジルにとってどう感じた?」
エルヴィンに連れられた店で注文を済ませ一息ついた途端、エルヴィンから壁外調査の感想を求められた。
「それは私達が欲する“真実”に関すること?
それともただ、単純に外へ出た感想?」
「どちらでも。
お前が思った事を聞きたい」
エルヴィンはテーブルの上に両肘を付き顔の前で手を組むとジルに話を促した。
その様を見たジルはふうっと息をつくと静かに話し出した。
「そう…
“真実”に関してはまだよくわからないの。
高々一度の調査に出たくらいで、それもただの新兵の身でそこまで余裕はなかったわ。
それにエルヴィンですら─いえ、人類がまだ知りえない事を私がわかるはずもないわ。
こんな事私から聞かなくてもエルヴィンならわかってるでしょ」
ジルからそう話を振られるとエルヴィンはサラッと肯定した。
「まぁ、そうだな。
では、ジルが感じた壁外の感想はどうだ」
再びエルヴィンから問われると、ジルは先程一人悩んでいたこともあってかジルが壁外調査で思った事を語り出した。