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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第11章 壁の外へ




初の壁外調査を終えたジルら新兵は自分の馬の世話や装備品のチェックが済むと、以後は自由との事だった。

そんな中、ジルは疲れていたが愛馬シュトラールの世話をいつもより丁寧に行っていた。
シュトラールも初の壁外に足を踏み入れたにも関わらず、巨人に臆することなく勇猛果敢な動きを見せてくれた。
この世話はその礼としてジルは行っていたのだ。

丁寧にシュトラールの身体をブラッシングしていると、装備品のチェックが済んだミケやローエンがジルのもとにやってきた。

「お、いたいた。
聞いたぞジル」

そうローエンがジルに話しかけてきた。

「そんな嬉しそうに何を聞いたのよ?」

何を聞いたのか嬉々として話しかけてくるローエンにジルは何事か問う。

「いや、お前が同期の女を助けたって話」

「あぁ…助けるも何も、あそこで何か行動を起こさなければ今こうして貴方達と話をしている状況は訪れなかったわね。
あれは運が良かった。
でも、状況がどうであれ目の前で仲間が喰われそうになってるのをただ黙って見ているつもりもなかったけどね」

あの時、巨人を討伐できたのは実力によるものだと言いたいが、あれは単なる偶然に過ぎないだろう。
運が良かった、とジルは思った。
巨人が一体だけで、その巨人は同期の調査兵を捕食することだけに集中していた為、ジルが単独で討伐する事が出来たのだった。
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