• テキストサイズ

〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第10章 意外な弱点


「エルヴィンがどうして私を背負っていたの?」

「さっき分隊長がお前を背負って帰宿しようと歩いていた所を俺と会ったんだ。
分隊長は飲み直すと言って宿舎に戻る所だった俺にジルを預けたんだ。
どうやらお前は慣れない酒を飲んで寝てしまったらしい。
俺も詳しくは知らないから明日にでも分隊長に謝罪をした方が良いかもな」

エルヴィンから自分が寝てしまっていた事を聞くと、ジルはエルヴィンに言われた通り今すぐにでもキースに謝罪したくなった。

「それで?分隊長との約束を俺に言わなかったのは何故だ」

再びその質問を聞かれジルは観念したように理由を話しだす。

「だって、エルヴィン班の人が分隊長にデートですね!なんて言ってたのを思い出してエルヴィンには誤解されたくなくて…」

なんとなくエルヴィンには言いたくなかった理由を本人の前で言わなくちゃならないこの羞恥心をどうしてくれようか、なんて思うジル。

エルヴィンはエルヴィンで、ジルの嘘の理由が可愛いものと知り、このまま何で俺に誤解されたくないんだ?と追撃をかけてやろうかとも思ったが、ジルが正直に答えても自分にその想いを受け止めてやれる度量も覚悟もない。
なんて自分は酷い男だろう。
ジルの気持ちは再会した日に気づいた。
気持ちには気づいたが、その気持ちに応えてやる事はできない。
それは何故か?
ジルは可愛いと思う。
しかし、それはあくまでも妹のような存在であるからだ。
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp