第6章 Episode:06*
「あ」
合点がいったというように、野薔薇ちゃんが小さく頷く。
「もしかして、感じちゃった?」
「………っ」
耳元で息を吹き込むようにそう囁かれて、電流のようなやわい痺れが、腰から背中を駆け抜けていく。
それすらにも反応してしまう自分がひどく欲深い存在に思えて、羞恥で顔がぐにゃりと歪んだ。
顔から火が吹き出しているように熱い。
また泣いてしまいそう、だ。
「……楽にしてあげよっか?」
「っえ……―あっ」
野薔薇ちゃんの手が私の手をやんわりと退けて、下半身に触れる。
強い力ではなかったのに、初めて自分以外の手がそこに触れる感触に、身体の中にある芯みたいなものが溶けていくような感じがした。
手にも足にも全く力が入らなくて、私の下着を脱がす野薔薇ちゃんの行動を、止めることが出来ない。
下着を脱がされた勢いで露にされた私のそれを見て、野薔薇ちゃんがそっと目を細めた。
「ふふ、もうこんなに濡れてる……」
「っ……!」
微笑まし気に外気に晒されるそれを眺めながら、野薔薇ちゃん手は私の太股を行ったり来たり。
ぞわぞわと背筋があわ立って、声にならない声が吐息となって唇から漏れた。
「っあ、ぁ……」
「こうすると、もっと気持ちいいかも」
野薔薇の指先が、ゆっくりと入ってくる。
ひたすら優しい行為だったけど、野薔薇ちゃんの声に、体温に、眼差しに、全身が過敏なまでの反応を示していた。
野薔薇ちゃんの片方の手が、労るように私の後頭部を弄る。それすらも私を痺れさせて。
もう、堪らなくなった。
*