第6章 Episode:06*
野薔薇ちゃんが私に覆い被さる形で二人でソファーに倒れ込む体勢になり、殴打された身体が少し痛んだけれど、初めて野薔薇ちゃんの体温を直に感じられた嬉しさで、胸がいっぱいになった。
その反面、いつも想像の中でしかこんなことをされたことがなかったから……現実の行為に、自然に身体が熱を持ち始めてくる。
気が付くと私は、膝と膝をくっつけて擦り合わせるような動作をしていた。
「あ、ごめん」
「……?」
「身体も怪我してるのに、私、体重かけちゃって…」
言って、身体を起こそうとする野薔薇ちゃんに思わず、声が出てしまっていた。
「動いちゃ、だめ……!」
自分で分かる。
下半身に集まりつつある熱は、きっと下着越しにも分かる位に濡れている。
そんなの絶対野薔薇ちゃんに知られたくなくて思わず出た制止の声だったけど、言ってしまってから後悔した。
案の定、野薔薇ちゃん綺麗な瞳が不思議そうな色を浮かべて私を凝視していて。
最初はひどく情けない顔をしているであろう私をじっと見つめていたけど、暫くして気付いた。
どこまでも馬鹿な私は、無意識の内に野薔薇ちゃんにに絶対に見られたくない部分。
太腿の間を隠すようにして、そこに両手を置いていた。
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