第6章 Episode:06*
指輪が付いている手を、野薔薇ちゃんの手の上にそっと重ねる。
私の手が冷えているのか、何だかすごく温かく感じた。
「?」
野薔薇ちゃんの目が驚いたように見開かれたまま私を見つめてる。
震える身体に、ばくばくと暴れている心臓。緊張で、今にも壊れてしまいそうだった。
でも、ちゃんと。ちゃんと、伝えたい。
あなたがそうしてくれたように。
「野薔薇ちゃん…その、きっと私の方が」
「………。」
「私の方が、野薔薇ちゃんのこと―……っ!?」
大好きです、と最後まで言い終わる前に、また唇を塞がれて。
今度はちゃんと分かる。
熱くて、深い。これは、野薔薇ちゃんの唇だ。
「ん……っふ、ぁ」
「っ、本当、に?憧れとかじゃなくて…?」
僅かに離された唇が震えて、至近距離のまま問いかけられる。
野薔薇ちゃんの熱さに本当に溶けてしまいそうになりながらも、私は必死に頷いた。
「う、ん…本当は、ずっとそう思ってたの…頭の中がいっぱいになっちゃうくらい、野薔薇ちゃんのことが、すごく、すごく、大好きっ……!」
「………っ」
野薔薇ちゃんの腕に頭を抱え込まれて、さっきより更に深く深く唇を重ね合わせる。
息も出来ない位に口内を掻き回す野薔薇ちゃんの柔らかな舌。
苦し、かったけど、それすらも気持ち好い。
*