第5章 Episode:05
時計はすでに夜の七時を回っていた。
汚れた制服に包まれた重い身体を引きずるようにして、一歩一歩確実に進みながら、野薔薇ちゃんの元へ向かう。
本当は、あのまま逃げ出してしまいたかった。ごめんね。急用が入っちゃった、と連絡すれば、きっと野薔薇ちゃんは深く追求せずに了解してくれるだろう。
けどそれじゃあ、あんまりだと思った。私だってもう、これ以上自分を嫌いになりたくない。
こんな状態で野薔薇ちゃんと対面出来るかどうかは分からないけど、取りあえずちゃんと会って。
それから、それから―……。
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