第5章 Episode:05
次の日。
そわそわと落ち着かない心地で授業を受けていながらも時間は刻々と過ぎていき、あっという間に放課後になった。
約束は、野薔薇ちゃんの学校の実習が終わってから。
早く行きすぎたら野薔薇ちゃんに気を遣わせてしまうから、本屋にでも寄って時間を潰してから行こう。
そう頭の中で計画しながら、荷物をまとめていると。
「もう帰っちゃうの?」
呼び止められた声。
根拠はないのに、ひどく嫌な予感がした。
「ちょっと私らと遊んでこーよ、」
恐る恐る目線上げることによって視界に映った唇が、楽しげにそう紡いで歪む。
机の前に立っていたのは、よく私にちょっかいをかけてくる、あの集団だった。
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