第4章 Episode:04*
しばらくの間二人で笑い合っていたけど、不意にヒョウさんが時計を気にし出したから、そろそろ帰った方がいいかな、と膝に置いてあった鞄を手に持つと、それに気付いた野薔薇ちゃんが、違うの、と私を引き止めた。
「これからごはんどうかなって思ったんだけど、私、今から学校戻らないとだからさ……」
「あ、そんな…気にしないで」
「んー……でも、、元気そうで安心したけど、何かまた痩せた気が……」
「!」
スッと伸びてきた手が、肩から二の腕のラインを撫でていく。ゆっくり、ゆっくり、まるで私の頼りない骨格を確かめているように。
突然のその行動に引き損ねた身体が、邪な欲望を秘めた熱に支配されていくのが分かる。
嫌だ、やめて。出てこない、で。
野薔薇ちゃんに、バレちゃう。
お願い、と目をぎゅっと瞑ったその時。
「ほんと細いね、……」
言いながら、ゆっくりと離れていく野薔薇ちゃんの手。
思わず、心の中で安堵のため息が漏れた。
触れられただけで身体が疼くだなんて、もう変態としか言いようがない。
胸にモヤモヤとした嫌悪感が募っていく。
けど――――。
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