第4章 Episode:04*
「久し振りね、。元気だった?」
「う、うん……」
どうにか、とどもりながらも答えれば、良かった、と安心したように笑う野薔薇ちゃん。
そんな彼女に、胸の辺りがきゅうと疼く。
長い間、頭の中や心の中だけで笑いかけてくれていたその人が、今は目の前で微笑んでいてくれている。
耳にこびりついた響きだけを辿って、何度も何度も繰り返し思い出していたあの心地好い声で、、と呼んでくれている。
どちらも、思い描いていたものよりずっとやさしくて、ずっと温かい。
あぁどうしよう。いつもいつも思うことだけど、今日こそ夢みたいだ。
ここま野薔薇ちゃんに焦がれていたという事実を、改めて再認識してしまう。
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