第7章 恋心
美穂子は、自然と流れる涙にどうしていいかわからなくなった。
ずっと―…隠していた感情。
その感情が悲鳴を上げているのがわかる。
このぬくもりを知ってしまったら―…後戻りができなくなるのに。
なんて―…残酷なことをするのだろうか。
「私は―…いつ、いなくなるかわかりません」
「あぁ」
「それでも―…ほしいと、言っていただけるのですか」
「あぁ、欲しい。お前が―…藍野美穂子という女性が、私は欲しい」
「―…っ、悲しいことがたくさんあっても…ですか…っ」
「楽しいことも、幸せなことも、たくさんある」
「白哉…っさん」
「美穂子―…返事を、くれ。お前の言葉で、返事を」
「愛してます」