第7章 恋心
「紹介しよう。我が妹のルキアだ」
「は、初めまして!護廷十三番隊の十三番隊で副隊長をしている朽木ルキアです」
少し緊張した面持ちのルキアに、美穂子はやはり写真とは別人だろうと結論付けた。
同時に、なんとなく―…理解した。
使用人たちは彼女を義妹と呼び、写真に似た面持ち。
(あぁ―…そうか。白哉さんは恋人がいないんじゃないんだ)
美穂子はゆっくりとルキアにお辞儀をした。
「お初にお目にかかります、ルキア様。
朽木家で御厄介になっております藍野美穂子と申します」
きっと、あの写真は奥様。
そして―…その奥様の妹が、このルキアと言う少女なのだろう。
それがわかると、美穂子の心は酷く冷えた。
心が徐々に戸を閉めていくのが―…なんとなくわかった。
「顔をあげてくださいっ、私はそんな風に呼ばれるような…っ、ルキアと呼んでください」
美穂子の丁寧な態度に、慌てたようにルキアは手を振った。
その様子に、めぐみは小さく笑う。
彼女はきっといい子なのだろう。
こんなに今、心がドロドロしている自分とは対照的なほど。
「―…では、ルキアさん。私のことは美穂子と」
美穂子はにっこりと笑顔を浮かべた。
そんな二人を優しく見守る笑顔があったことを知ることもなく。