第7章 恋心
「―…失礼します」
凛とした声に、ルキアは声のした戸のほうを見た。
すっと静かに開いた戸から現れた女性に、ルキアは思わず目を見開いた。
茶色の長い髪に茶色の少し切れ長ともいえる凛とした瞳。
そして白い肌に水色の着物を着た女性はどこか知的な印象を受けた。
「遅くなり、申し訳ありません」
「いい。座れ」
「はい」
ゆっくりと女性は移動をして、膳の置かれたところへ、静かに座った。
「紹介しよう。我が妹のルキアだ」
「は、初めまして!護廷十三番隊の十三番隊で副隊長をしている朽木ルキアです」
「お初にお目にかかります、ルキア様。
朽木家で御厄介になっております、藍野美穂子と申します」
ゆっくりとお辞儀をした美穂子に、ルキアは目を白黒させた。
「顔をあげてくださいっ、私はそんな風に呼ばれるような…っ、ルキアと呼んでください」
「―…では、ルキアさん。私のことは美穂子と」
美穂子はにっこりと微笑んだ。
すると、ルキアはめぐみの後ろに見えた兄の表情に、目を見開いた。
(兄様が…笑ってらっしゃる。兄様は…美穂子さんのことを…)
柔らかな笑顔を浮かべている。
その瞬間、ルキアはとてもうれしくなった。