第7章 恋心
ルキアは朽木家の門を白哉の後ろについてくぐりながら、目をキラキラと輝かせていた。
自分が朽木の家に入ってからだいぶ時がたった。
その間に、白哉との関係もだいぶ穏やかに会話ができるようになった。
けれど―…今日の今日まで、白哉に女性の影がなかったのは妹として不安があった。
まだ姉に囚われているのだろうか、と。
姉は既にだいぶ前に亡くなっていているが、白哉にとって流魂街の妹を一族に加えるほどに大切だった女性だ。
それは十二分に理解しているつもりだが、それでもルキアは兄に幸せになってほしいと願っていた。
けれど兄にはそんな影がまったくなく、ルキアはよく恋次に相談していたほどだ。
それがどうだ!
あんなに女性に無関心だった兄が、名前で呼ぶほどの女性が現れたというのだ。
もしかしたら、兄が次の恋で幸せになれるかもしれない。
そんな期待がルキアの心をわくわくとときめかせた。
「おかえりなさいませ、旦那様。ルキア様」
「ただいま戻りました」
「既に食事の準備が整っております。さ、お部屋へどうぞ」
ルキアははっきりした声でそういうと、使用人たちが笑顔を見せた。
「美穂子はいるのか」
「はい、お部屋に。今、お呼びします」
「ルキア、行くぞ」
「はい」