第5章 十番隊との出会い
冬獅郎は白哉をつれて、隣の貴賓室へと向かった。
どこの隊にも客を招き入れる部屋を持っている。
ここ、十番隊も同様だ。
冬獅郎は貴賓室へ白哉を招き入れると、中央に置かれたソファへと視線を向けた。
「かけてくれ。今、茶を用意する」
近くには簡易的な茶菓子とお茶のセットがある。
本来であれば誰かほかのものに用意させるのだが、突然の来客ということもあってきちんとしたものは用意できない。
冬獅郎は簡易的で申し訳ないが、何も出さないわけにも行かず、用意されていた茶セットで緑茶を入れると、白哉の座ったソファの前に置かれた机にそれを置いた。
「突然の訪問、すまぬ」
「いや。まぁ、驚きはしたっすけど…まさか付き添ってくるとは思わなかったんで」
「朽木家預かり故、挨拶せぬわけにはいかん。それから、兄に聞きたいことがあってな」
「俺に?」
冬獅郎は白哉の前の席に腰を下ろして、首を傾げた。
「なぜ、美穂子を手伝いにほしいと申したのか。真意を知りたい」