第5章 十番隊との出会い
「そういえば、十番隊の隊長さんはどんな方ですか?」
これからお世話になる隊のことをあまり知らなかったことに今更気づいて、美穂子は付け焼刃な知識を得ようと思いつく。
ないよりは、マシだろう。
「日番谷冬獅郎という、最年少で隊長となった生真面目な男だ」
「最年少?もしかして、あの。少年っぽい…銀髪の人ですか?」
「そうだ。知っているのか?」
「前に、一番隊で一度お見かけしましたが…」
白哉の言葉に、美穂子は眉を顰めた。
まだ美穂子が瀞霊廷に来て間もない頃に、総隊長にお目通りした際にいた少年のような男の子。
正直、いい印象はない。
(イケメンだからって、人のこと…っ!ど、どうせ美人じゃないわよ!って…あー…思い出さなきゃよかった)
美穂子の表情を見て、白哉はぽんと頭を叩いた。
それに驚いて美穂子は顔をあげた。
「何かあれば言え。十番隊の仕事はこちらの好意で受けたまでのこと。無理して仕事をする必要はない」
「ありがとうございます。でも、受けた以上は出来る限り頑張りますね」
美穂子は白哉の言葉に、嬉しそうに微笑んで答えた。