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止まない雨はない

第1章 曇りのち雨




ムダに長い脚を机に乗せて椅子を傾けグラグラと幼稚な事してる白頭。


サングラスでよく見えないけれど独特な…引き込まれるように碧い眼。


コレもしかして噂で聞いてた六眼持ちの五条家の坊ちゃん?
思ってたのと違う、ガキじゃんか。


いや、そうじゃなくて何?コレが教室に居るって事は同じ一年な訳?





あからさまに私が嫌そうな顔になっていたからなのか目の前の幼稚そうな男は口を開く……



「何ジロジロ見てんだよチビ、ここはガキの来るところじゃねーぞ」



あぁ、この男マジで嫌い





空いてる席に大きく音を立て鞄を置く




すると奴はケラケラ涼しい顔して笑いながらこう言うのだ「ヒスはモテないよ?」と



プチッと私の中の何かが切れた



「おい、お前」

自分でもビックリするくらい低く苛立っているのが分かる声に目の前の態度のデカいアイツが面白そうな目を向けてくる。


「神童だか何だか知らないが私はアンタのその態度が非常に気に食わねぇ。自他共に認める最強?性格と態度がねじ曲がってる奴に最強は似合わん、私がぶん取ってやるから覚悟しておけ。」


すると何が可笑しいのか目の前で笑い出して奥の席に座っていた男に話しかけるのだ。


「なぁ?!聞いたか傑?!アイツ頭イカれてる!!!あー笑いすぎて腹痛ぇー」

大袈裟に腹を抱えてゲラゲラ笑う五条に比べ傑と呼ばれた男は冷静で私をチラッと見ると何とも形容し難い笑顔を向けるもんだから私の眉間の皺が濃くなる。


あぁいう張り付いてるような笑顔は嫌いだ…



「悟、笑いすぎだよ、それに彼女は私たちと同じ高専の一年だ。そうだよね?濱音さん?」



傑と呼ばれたその男は私を見て妙な笑顔を向けたかと思えば今度は私の事を探るかのように話し掛けてくる。


私の苗字を聞いて五条は少し驚いたように見えたがすぐに先程と同じようなヘラヘラと人を見下しているような表情に戻る。

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