第4章 学
「ふふ、これでみんなびしょ濡れだね」
私は悟にもたれ掛かりながら自分の体の上にいる傑くんの肩に腕をまわす。
180超えの巨人2人がビニールプールにいるといくら小柄な私でも窮屈だがみんなでワイワイするのが楽しくってそんなことも気にならなかった。
「はぁ、これはにしてやられたね」
傑くんは前髪をかきあげるとこちらを振り向いてニコリとする
「まじ夏油もざまぁだわ」
ケラケラ笑いながら硝子はポケットからタバコを取り出す。
「傑出ろよ、せめぇ」
私がもたれているのが気に食わないのかそれとも悟は窮屈なのか傑くんを追い出そうとする
「文句言うなら悟が出ればいいだろう?」
「あ??」
「わ、私が出るね!」
はは、と苦笑いしながらタバコをふかしている硝子ちゃんが私を引き上げてくれた。
「少しは涼しくなったな」
「うん、こんな日が続けばいいのにな…、なぁんて…へへ」
ビニールプールの中でヤイヤイ喧嘩してる二人を見ながら硝子ちゃんと喋る。
「……そうだな」
ふぅ、とタバコの煙を吐き出した後に
そろそろ片付けるか、と硝子ちゃんがホースを抜きに水道へ向かったので私はビニールプールを片付けるために2人の元へ向かった
「悟〜?そろそろ片付けるよ?」
2人は渋々とビニールプールから出るとビショビショになった制服を脱ぎ出した。
「…ぁ、ごめっ」
「はは、照れてんの?そいつらの体なんて見たってなんもないだろ?」
ホースをクルクル巻きながら硝子ちゃんが戻ってきた。
「や〜ん恥ずかしい〜」
なんて身体をくねくねさせながら悟が高い声で言う。
「気持ち悪いな、悟」
傑くんはシャツの水を絞りながら悟のことを横目で見ながら言う。
「うるせ」
と悟が傑くんの脛を蹴ろうとして失敗していた。
「あ、ビニールプール片付けるから水出すね」
ビニールプールを持ち上げると私はつるりと足を滑らしてしまい体が後ろに傾く。