【銀魂逆ハー】真選組最強剣士が美少女過ぎる件について
第4章 【番外】その時父は
桔梗side
深「でも…気づいたら…気づいたらあなたを心待ちにしている自分がおりました」
恥ずかしそうに目を伏せる彼女を俺は思わず抱きしめた
深「愛想を尽かされたのだと思いました…」
桔「そんな訳ないだろう…!」
深「だって…いきなり来なくなるから…」
桔「それは…」
俺は深草の身体が冷えることを案じて長屋の中へ入った
それから俺達は会えなかった1年間を埋めるように夜通し話をした
父が亡くなり道場を立て直さなければいけず会いに来れなかったこと
深草は17の頃に両親が亡くなり1人で生きてきたこと。舞ひとつで生活してきたこと。
今まで言い寄られた男が下衆ばかりで、そのせいで俺に対しても冷たくしていたこと
俺が会いにこなくなってから長屋を借りていた事を知り毎日通ったこと
深「最初と逆になってしまいましたね」
桔「あぁ。君から会いに来てくれる日が来るとは思わなかった」
深「…あなたが来なくなってから舞を続けるのが苦になってしまったのです。いつの間にかあなたを呼ぶ為に舞を踊っていたのかもしれませぬ」
桔「鬱陶しい奴がいなくなって清々していた思ったが」
深「ふふっ、最初の頃だったらそう思っていでしょうね」
初めて見た彼女の笑顔はこの世の何よりも美しかった
深「…明日には帰られるの」
ふと深草の顔が曇る
桔「あぁ…」
俺には道場がある。いつまでもここにいる訳には行かない
桔「なぁ深草」
深「はい?」
俺は深草の手を両手で握り言う
桔「…俺の元へ来てくれないか…一緒にそこに住んでほし…い」
未だかつてここまでの緊張を味わったことは無い
深草が口を開くまでの時間が嫌に長く感じた
深「断る理由はありません。こんな私で良ければ」
その言葉を聞いた瞬間俺は
桔「ほ、本当か!一緒に来てくれるのか!」
大声を上げて年甲斐もなく騒いでしまった
深「不器用者ですが…よろしくお願いします」
桔「こ、こちらこそ」
2人とも改まって頭を下げる
その光景がなんだか可笑しくてどちらともなく笑いだした
それからは早かった。深草の荷物をまとめ俺はすぐに道場がある村へと戻った