【銀魂逆ハー】真選組最強剣士が美少女過ぎる件について
第4章 【番外】その時父は
桔梗side
俺が寝る間も惜しみ道場にかけた熱意は無事報われた
俺の剣の腕を買ってか多くの門下生が集まった
門下生「せんせー!さよーなら!」
桔「あぁ。またな」
その日最後の門下生が帰ったことを見届けるとふとあの深草のことが頭をよぎる
いや、一日たりとも想わなかった日はないだろう
最後にあの町に行ってから1年が経とうとしていた
今更会いに行って何になるのだろうか。
そんなことを思いつつも、一日道場を閉めあの町へ向かった
桔「深草が…?」
神主「あぁ…半年前に辞めてしまってね…」
深草が舞っていた神社の神主に話を聞くと半年前に神社での舞を辞めてしまったのだという
何かあったのだろうか。それとも単純に他の神社で舞を続けているのだろうか
俺は周辺の神社を全て回った
季節は冬。冷たい風が俺の頬を切り裂くように痛めつける
しかし深草は居なかった
桔「…明日には帰らないとな」
白い息を吐きながら呟く
とりあえず今夜の宿を取らねば。そう思った時あの長屋のことを思い出し足を運ぶ。1年経ってはいるがまだ使えるだろうと
懐かしい景色に目をとられていると長屋の前に1人の女性が立っていることに気がつく
その女性は薄紫の着物の上に暖かそうな羽織を着ているが雪と大差ない白さの頬を桃色に染めていた。そして腰まで伸びた黒髪を一纏めにし、寒そうに指先を吐息で温めている
その長いまつ毛の横顔に俺は見覚えがあった。忘れもしないあの女性だ
桔「!?深草…!?」
そう声をあげるとこちらを向いた深草は以前にも増して美しくなったように思える
しかし俺を視界に捉えた瞬間その美しい顔の眉を寄せこちらに歩いてくる
深「あなたは!なんなのですか!」
桔「え…」
深「人に散々好きだの一目惚れだの言っておいていきなり姿を消すなど卑怯ではありませぬか!」
驚いた。深草が今まで不快感を顕にすることはあってもここまでの感情を顕にしたのは初めでだったからだ
深「最初は…心底鬱陶しいと思っていたのです。とんだ遊び人だと思いました」
深草はだんだんと目を伏せる
深「でも…気づいたら…気づいたらあなたを心待ちにしている自分がおりました」