第3章 CUT
壁の外も中も地獄。巨人の畏怖から逃れられない、酷な世界。
それでも私は、可愛いくて有能な部下たちに囲まれて幸せだった。
それがいつまでも続くものじゃないと分かっていながら。
1回目。
調査兵団が王政打倒のためにクーデターを起こした際に、部下を憲兵に殺された。
射殺だ。
二ファは顔を飛ばされて死んだと聞いている。
二ファ、ケイジ、アーベル。
大切で仕方なかった部下を一気に3人も、失った。
リヴァイからそれを聞いたとき、悔しくてしょうがなかった。
自分も一緒だったら、3人は死ななかった?3人の代わりに私が行っていたら、私の部下は死んでいなかった?自分がもし、あのとき、ああしていれば、何か違ってたんじゃないかって。そんなのが何度も頭をぐるぐるしてた。
2回目。
ウォールマリア奪還作戦での事。私を庇った部下が、また1人死んだ。
『ハンジさん!!!』
超大型巨人による巨人化の爆風に巻き込まれる中で、モブリットは最期に私の名前を叫びながら、井戸に突き落とした。
そのおかげで私は爆風を逃れ、生きてリヴァイたちに合流できた。
彼の最期の切ない表情が、今も脳裏にこびり付いて離れない。
“ハンジ班”と呼ばれていた第4分隊1班。
もちろん人員は補充されたが、もう既に初期ハンジ班のメンバーは、私と1人の部下しか残っていなかった。
壁外にもう巨人はいない。
誰も巨人には喰われない。1人しか残らなかった私の部下もだ。
これからは、だれも死なない。
そう思っていたのに 。