第2章 MEN
『私を愛してくれているのか』
なんて稚拙で、下らない質問なんだろう。
愛だの恋だのそういったものは自分と関係のない筈の代物。
ハンジさんには、特別な感情を抱いてしまったけれど。上官なのに。同性なのに。
まぁその事実がどうであれ、少なくとも愛というのは私が受ける側ではない。
自惚れてはいけないのだ、自分の立場を理解しろ。
私のような人間が、愛される筈がない。
そう思って生活してきた。
それなのに。
『君が好きなんだ』
そんなこと言われてしまったら。
『女として、ヒロのことが…好きなんだ』
そんな目で見つめられたら。
『もう、答えてよ。ヒロの気持ちが分からないじゃないか」』
そんなふうに唇を奪われてしまったら。
「私…ハンジさんのことが、ずっと―――」
真に受けてしまうじゃないか。
「好きでした」
その事実は今も勿論なので、過去形はおかしいかもしれないなぁ、なんてことを妙に吹っ切れた脳味噌で考えた。