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〈進撃の巨人 ハンジ・ゾエ〉ねぇ、ハンジさん。

第2章 MEN


「女」

この事実さえなければ、私は、全ては変わっていたのだろうか。

体力に乏しい。運動が苦手。筋力がない。力が弱い。
…勝てない。男に、勝てない。
そのどうしようもない現実に、苦しめられた。

女だから、見下される。
女だから、嬲られる。
女だから、舐められる。
女だから、権利がない。

私は、片田舎のクソみたいな世界で育った。
とある落ちぶれた地方貴族の家系。

女である私への教育は最小限度。
女に学力は必要ないと思っているのだろう、私へ強要されたのは、女としての素質だった。
正しい礼儀作法で、常に女性らしく殿方に気に入ってもらえるような態度をこころがけることが強くインプットされている。
亭主の言うことは絶対。亭主を上回ってはいけない。
跡継ぎを絶やしてはならない、子供を増やすべきである。私の胎の中にある、臓器…子宮を使って。

こんな教えに、一体なんの意味があるのだろうか。
ずっと、そう思って生きてきた。

そしてついに、その考えを言の葉に乗せた。

「私の生まれついた性のみで私の人生を決めるのは如何なものかと思います」

そこから5秒と掛からずに私が蹴り飛ばされたのは言うまでもない。
立てなくなるほどの怪我を負わされた。ちょうど、服で隠れる位置のみに、痣や傷が付けられた。
姑息なものである。
そのような位置だけを重点的に痛め付ければ、暴力を浴びたことを悟らせない。

本当にずる賢いと思った。
憎くて仕方なかった。

そんな私に、転機がきた。
12歳になったのだ。つまり――訓練兵に入れる年齢になった。
家を出られる。
訓練はとても厳しいものだろう。もちろん、その苦痛も全て受け止めるつもりだ。
親の反対を押し切り、この道を選ぶ。

私は、この狭い世界を抜け出した。

兵士になるために。
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