第5章 sweetかbitterか[オール夢]
■エースの場合
エース[なぁユフィ!チョコ俺の分あるだろ?]
[まだ内緒ですっ]
エース[なんだよ、俺にはくれねぇのか?]
ここ最近エースはずっとチョコのことを聞いてくる。
あげるけど、意地悪したくてはぐらかしているのに、どうしたんだろう?
[エースは人気だから私からじゃなくてもたくさん貰えるでしょう?]
人気なんだからと歩けば後ろから抱きしめられそっといつもより低めの声で耳元に響いた。
エース[……他の奴らのより、おめぇのが食いてぇんだよ]
もしかして拗ねてる?それとも怒ってる?
[ちゃんとあげますからっ怒らないでっ]
エース[ほんとか?ちゃんと俺の分用意しといてくれよな!]
さっきとは打って変わって明るい声音でそう話せば離れ、ふと何か思い出したように私を抱き抱え
[えっ?!エース、下ろしてよっ]
エース[俺はユフィからの特別チョコ貰えるぞぉーー!!]
船内に大きな声で聞かせるようにそう叫んでは私は恥ずかしくて下ろしてと静かにしか言えなくなってしまった。
けど…特別だなんて…そう思って貰えるの嬉しいな。
後日みんなと同じチョコに俺のは特別じゃねぇのかよと泣いて周りから“よかったな!俺達とお揃いの特別チョコだぞ!“と茶化されるエースなのだった。