第5章 sweetかbitterか[オール夢]
■マルコの場合
キッチンは女性たちで盛り上がっている。
お父様やみんなに配るようにチョコを作っているからだ。
モブ子A[ユフィちゃんは誰にチョコをあげるの?]
[お父様とシエラ、それからみんなにも配るよっ]
モブ子A[船内に好きな男とかいないの?ほらっ、エースとか歳近いでしょ?]
[エースは…お兄ちゃんって感じかなっ、もちろんエースの分も作るけどっ]
モブ子B[私はイゾウさんかなぁ〜]
モブ子C[あんた去年はマルコ隊長じゃなかった??]
モブ子B[マルコ隊長甘すぎだよいとか言って全然食べてくれなかったの!今年は絶対あげないんだから!]
(……マルコさん…、甘いの苦手なんだ…)
当日各々がそれぞれチョコやお菓子を渡し始めれば色んなところで盛り上がる中、私も最後の1人だけ渡すのを迷っていた。
[結局ビターのチョコ作っちゃった…でも、これでもきっと甘いよね…どうしよう…]
マルコ[なにうろうろしてんだよい]
私が甲板で右往左往しているのを見ていたらしく、マルコが声をかけてきた。
[まっ…マルコさん?!えと…その…]
マルコ[…なんだ?言いてぇことがあるならはっきり言えよい]
[……その、甘いもの苦手って知らなくて…私の中では甘くないつもりなんですけど…でも、マルコさんには甘いかもしれないというか…]
手に持っていた小さめの箱渡してはモブ子さんの言葉がフラッシュバックして少し暗い表情していれば、手から箱が離れリボンを外し1粒を摘んでは口に頬張るマルコの姿にえっ、と思わず声が出てしまった。
マルコ[……確かに少し甘いな、けど…一生懸命作ってくれたもんを、無下にはできねぇよい]
ありがとな、と頭をぽんぽんされ少し頬赤くなるもでもとても嬉しくて思わず笑みがこぼれた。