第8章 美しい君へ[黄猿夢]
ボルサリーノ[…もしかして…]
随分昔に出会った1人の女の子、明るく前向きで黄金色の綺麗な瞳だった
ボルサリーノ[…お母さんは元気かい?]
その言葉に一瞬彼女の瞳が揺れ、瞼が下がり悲しげに微笑み
[母は…どこかへ行ってしまって、今探しているんです]
でもどこかで生きていると信じていますと話す彼女は昔会ったあの子に似ていて
ボルサリーノ[…出会えるといいねェ…]
そう話してはもう一度さっきの歌歌ってくれるかいと話せば少し恥ずかしそうに頬かいては丁度崩れたブロックに座り、先程歌っていた歌を歌ってくれ_
[あなたと私の瞳の色同じ黄色ね、私黄色とかオレンジが好きなの…太陽と夕日のいろ…海から見るとすごく素敵だから、あなたも気が向いたら見てみて]
遠いあの子の会話を思い出して改めて彼女を見ればあの子とは違うものの紛うことなきあの子の子供だと分かり、また胸が音を奏で
ボルサリーノ[……こりゃまいったねェ…]
あの時もそうだったが今回もかと笑えば彼女が歌い終わり
[大丈夫ですか?ボルサリーノさん]
ボルサリーノ[なんでもないよォ…少し昔を思い出してね…そういえば君の名前は何かなァ?]
[私の名前はユーフェミアです]
ユーフェミア…いい名前だねと話せばまた彼女が笑った、あの子に似た笑顔で…