第5章 sweetかbitterか[オール夢]
■キッドの場合
[はいっキッドさん、バレンタインのチョコどうぞっ]
キッド[……ぁあ?]
今日はお世話になったみんなにチョコを渡す日。
今回は1人で作りたかったから上手くできてるか不安だけど…
他のクルーの皆は嬉しそうに受け取ってくれたけど、
目の前にいる真っ赤な彼には怪訝な表情をされてしまった…。
キッド[んだこれ?こんなあめぇもん食えるか]
[……そ、そうですよねっ甘いのそんな得意じゃないですよねっ]
やっぱり駄目だったかな…と渡さないで帰ろうとしたら何故か呼び止められた。
キッド[…他の奴らにも配ってんのか?]
[えと、配ってはいますけど…キッドさんのは別というか…]
イメージに合わせてキッドさんは赤い苺のチョコを…と言いかければチョコが入った箱は包装紙を遠慮なしにビリビリにされ、1粒摘んではそれを口に入れるキッドさん。
キッド[……………]
そのまま無言で味わうようにもぐもぐする様子になぜか緊張してしまいじっと見つめていれば_
キッド[……]
気づけば抱き抱えられ部屋へと向かわれては戸惑う声に
キッド[…他の奴らに配ってんのは癪に障るが…、おめぇは俺が食うからな]
それはチョコではなくて…と思えば恥ずかしくて胸がドキドキして甘酸っぱいバレンタインになった。