第3章 家族[白ひげ夢]
白ひげ[グララ…鼻たれ娘が一丁前に心配なんかすんじゃねぇ…]
お父様は看護師さんがいなくなった部屋で大きな瓶を掴みぐいっとお酒を流し込んでいく。
白ひげ[俺の心配よりてめぇの心配だけしておけ。]
確かにそうだ。私とシエラはお母様を探す旅に出るつもりだ。
皆は船に乗りながら探せばいいと言ってくれているけれど、自分でお母様を探すんだ。
[そうだね…私もいつかはこの船を降りなきゃいけなくなる。そうなったらこの世界を生きていく術を今身につけないとね。]
白ひげ[……アリシアはあれからどこにも確認が取れてねぇが、あいつのことだ、死にはしねぇよ。]
お父様とお母様は昔から会っていた、それこそ私が産まれる前から。
今の私くらいかそのあとにお父様や色んな人と会って人脈を広げていたのだろう。
私にはそんな器用なことできる自信が無い。
記憶のお母様は明るくて、いつも私たちと過ごしてくれた。
見つけられるだろうか…
その不安は常に付きまとう…もし見つからないまま歳を重ねたり、忘れられていたら…
ありもしない根拠に踊らされ、首を振る。
考えるより行動しなくちゃ、何も変わらない。
[そうだね…憶測で考えても仕方ない、お母様を探す。その目標は変わらないもの]
白ひげ[おめぇが船を降りる日は、あいつらが寂しがるだろうな…]
みんなと離れるのはやっぱり寂しい…
とても楽しくて、ずっといたくなる…だけど