第3章 家族[白ひげ夢]
今日は待ちに待ったお父様と過ごせる時間を獲得できた!
いつもはみんなのお手伝いやご飯の支度とかお父様の体調もあってここ数日会えなかったから早く会ってたくさんお話したいっ!
_コンコン
[お父様?入ってもいい?]
白ひげ[あぁ…]
久しぶりに聞く低くて落ち着く声…扉を開ければ看護師さんが丁度点滴を入れ替えてた。
[……今日は体調へいき?]
白ひげ[グララ…俺が悪そうに見えるか?]
よかった…最近看護師さんがお薬や点滴を増やしたって聞いたから心配だったけど、いつものお父様だ。
白ひげ[それで、何か俺に用か?]
[最近会えなかったから、お話したくて…忙しかったらまた今度にするからっ]
白ひげ[俺は暇だが、動くとこいつらが騒ぐからなぁ…丁度時間つぶしになるな]
看護師さんたちは手を動かしながら"少し前まで数値が悪かったんですからね"と釘を刺され、ふんと鼻で笑うお父様に少し心配そうに見上げた。
白ひげ[そんな面見せるんじゃねぇ…何も今日死ぬって訳じゃぁねぇんだ]
いくらお父様とはいえ年齢もある。
あとこうしてお父様と過ごせるのも何年より何日の方が早いかもしれない…
お父様は私とシエラをその大きな愛で迎え入れてくれた。
まだ子供の私たちを子供らしく、時に叱られたり、一緒に遊んでくれたり…懐かしいな…
[ごめんなさい、でも心配は心配なの…お父様がいない世界なんて…私には耐えられそうにない…]
白ひげ[俺ァそんなに長くはねぇ…これからはお前らが世界を引っ張るんだ。]
お父様はいつもそういう。
時代の残党だとか、長く生きただけだとか…そんなふうに思って欲しくない。