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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


次の日。
消滅したのはジナ。
ラキオがグノーシアだったのかは不明だが、ジョナスがグノーシアだということは分かっている。
仲間を減らされた腹いせなんだろうか。
エンジニアは今回のループではいないが、ドクターの存在は確認されている。
まだ生き残ってたらいいのだが……
と、昨夜呑気に話していて忘れていたが、しげみちは嘘をついているんだった。
今回はAC主義者もバグもいないため、嘘をつくのはグノーシアのみ。そしてそのグノーシアは三人。ラキオが仮に黒だった場合、しげみちが最後のグノーシアとなり、彼を凍らせれば終了となる。
しげみち、ごめん。
今回は、最後までずっと仲良く話すことはできないや……
今日もメインコンソールに集まり、命懸けの会議が始まる。
「あの、」
開始早々、ツバサが口を開いた。
「私、ドクターなんだ。調べてみたら、ラキオとジョナスはグノーシアだった」
ツバサが、ドクター……。
でも、他に名乗り出る人はいない。
ここでグノーシアが名乗り出ているとどちらにも人間判定を出している可能性が高い。彼女が本物と考えても良さそうだ。
「俺は、信じるぜ」
訪れた沈黙を払ったのはシピ。
ツバサも彼の方を向いて少し目を見開いている。
「俺は、お前と協力してっからな。ここで疑心暗鬼になるのは、ちげーだろ?」
情に厚く、人間のシピらしい言葉。
グノーシアの時は他人を利用して上手く生き残ろうとする彼だが、人間の時は違う。
優しくて、仲間を大切にする、強い人だ。
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