• テキストサイズ

【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


「ああ、俺?俺はしょーがないんよ。事故で皮膚が再生せんくなって、親父に人工皮膚作ってもらったんだ」
そうだったのか……
それにしても、全身人工皮膚でも、典型的な宇宙人みたいだ。
それで良かったんだろうか。
「……なんか、ごめんね」
「いやいやいいって。気にしてねーから。俺、宇宙大好き少年だったから、こんな姿にしてもらってんだよな。ツバサも猫が好きだからそんな姿になったんだろ?ほとんど同じだって」
「うん、ありがとう」
二人も和解して、なんだか謎の絆が生まれているようだった。
「にしても、ツバサはちょっと猫に近づいてるみたいでいいよなー」
「シピは、猫になりたいの?」
「ん、まあそうだな。なれるもんならな。」
確かに、シピは首の辺りで猫と融合している。
それにも何か事情があるのだろうか。
「だから、猫耳生やしてんのいいよな。可愛いし」
「!」
あ、ツバサがそっぽを向いた。
でも、フードを取っているから、耳が赤い事がバレバレ。
猫耳があるせいで、本当に猫みたいだな。
船の中に猫が二匹いる。そんな感じ。
「あんまり、可愛いとか、言われ慣れてないから……ちょっと、照れる」
でも、猫と違ってツバサは素直だ。
それにしても、沙明にからかわれてた時とは態度が大きく違うな。
沙明がツバサの猫耳を可愛いと言って、いつもの下半身直結トークで口説きに行っていたのを見たことがあるけれど、彼女は照れずに本気で殴ろうとしていた。
SQみたいに言うのなら、もしかしたら、ツバサはシピにラヴが生まれちゃってるかもしれない。
/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp