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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


惑星タラについて聞いていると、向こう側から見知った人物が来るのが見えた。
猫耳のフードを被っている少女、ツバサだ。
服装からしても、彼女は猫が好きなのだろうか。
「お、ツバサ。お前は猫好きか?」
突拍子もなくシピがツバサに尋ねる。
すると、意外な答えが返ってきた。
「まあ、好きかな。だって、私惑星タラ出身だし」
「そうだったのか!」
あ、そういえば、そうやって書いてあったっけ。
それにしては、あまり猫っぽい容姿ではない。
瞳孔も細くないし、尻尾も生えていない。
強いて言うなら、猫耳フードがそれっぽい。
「証拠あるよ。ほらこれ」
「猫耳じゃねーか!」
シピがいつにも増してキラキラした瞳をツバサに向けている。
「全部変えるのは嫌だから、猫耳だけ生やしてもらったの」
「なんか猫に近い感じがするな、ちょっと羨ましいぜ」
「そこまでいいこともないけどね」
「でも、俺はそういうの好かんな」
今まで黙っていたしげみちが口を開く。
一体どうしたというんだろうか。
「親から貰った身体は大切にせんといかんのにな!」
「………しげみちには言われたくない」
うん、僕も言おうと思ってた。
しげみちは生まれた頃からこんな姿ではないと思う。……多分。
完全にお前が言うな状態だ。
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