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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


翌日。
消されたのはオトメ。
オトメが投票していたのはジョナスだから、ジョナスに疑いを向けに行くつもりだろう。
だが、ジョナスが消したという可能性も捨てきれない。
少しだけ直感に頼る運任せにはなりそうだ。
今回はグノーシアが四体。
乗員は十五人で、エンジニアとドクターの存在が確認されている。
エンジニアは初日にセツとククルシカが名乗り出た。
僕はセツと情報交換済みなので、僕の中ではククルシカが偽物のエンジニアだと確定している。
ククルシカはロジックが低いから論理的破綻を起こしやすい。それを待つ間に他のグノーシアを見つけてコールドスリープさせていこう。
とりあえず、まずはオトメが投票していたのがジョナスであり、オトメが消えたのはジョナスが腹いせや焦りからオトメを消したのではないかという疑いをかけに行く。
「君が私を疑っている以上に、私が、私を疑っているさ……」
いつも通りのよく意味がわからない発言で否定するジョナス。
弁護にはいる人はしげみちだけ。
そして今、しげみちが嘘をついていることに気づいた。
しげみちはジョナスを弁護しており、それが嘘だと見抜けたなら、必然的にジョナスもグノーシアであることが分かる。
このままジョナスを疑っていこう。
「ジョナスは、信用できない」
ジナはジョナスの嘘に気づいただろうか?
一日目に皆に人間だと言わせたのはジナ。
投票時間直前に言わせたから、その後に発言することができなかった。
昨日ジョナスの嘘に気づいても、時間が無くて言えなかったから、今日言ったのかもしれない。
そのままずっと疑われ続けたジョナスは、一人寂しくコールドスリープ室へと消えていった。
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