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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


そんな感じで猫談笑をしていると、ポーンと軽い音が鳴った。
LeViのアナウンスだ。
『数分後に、空間転移を開始致します。乗員の皆様は、自室へお戻りください』
どうやら、今夜はもうお開きらしい。
シピは思い切り伸びたあと、スツールから立ち上がった。
僕も帰ろう。
「んじゃ、また明日な。とっととグノーシア全員凍らせて、ゆっくり寝たいもんだな」
彼は猫の気まぐれを彷彿とさせる発言や行動をする。
猫と文字通り一体化して脳が繋がっているせいであろうか。
「僕も戻ろうっと。おやすみー」
「うん、おやすみ」
「またね、みんな」
自室へと繋がる廊下を歩く。
歩いている途中で、猫耳のフードを被っている女性を見つけた。
特徴的なフードを被っている人物は、この船で一人しか存在しない。
ツバサだ。
でも、今日はもう空間転移の時間が迫ってるし、話すのは明日にしよう。
自室に戻り、ベッドに入って今回のループの動きの大まかな計画を立てる。
開いている特記事項は半分ほど。
その中でも、ツバサとシピは半分くらい。
でも若干ツバサの方が解放するのは難しそうだ。
粘菌事件やククルシカ騒動、他の事件でも、特記事項はなかなか開かなかった。
彼女は事件よりも、仲の良さが関係してくるのだろう。
そして、シピと一緒にいると彼女の特記事項は開きやすい。
頑張ってシピと彼女は生かしておこう。
その心意気を胸に、空間転移時特有の眠気に襲われ、あっさりと眠った。
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