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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第5章 猫談義【シピ】


今回のループではシピと仲がいいらしい。
僕は結構シピと仲がいいことが多い。
この間のループも、シピから持ちかけられた協力を受けて、その夜ジムを訪れたら、シピと首から生えた猫が運動をしていた。
どうやら彼は本物の猫になりたいらしく、闇医者に頼んで脳を慣らすために今の姿になったようだ。
船を降りたら分離手術を受けて、本当に猫になるつもりなんだそうで。
あの時の衝撃は一生忘れられないだろう。
それにしても、猫への執着がすごい。
一日目の夜、ラキオが眠ってから僕とシピとセツ、コメットで話をしている。
「シピって猫すごい好きだけど、具体的にこういう種類の猫が好き〜とかはないの?」
「そういう具体的なモンはねーな。猫だったら全部好きだし、話し始めたら止まんねーよ。でも強いて言うならベンガルだな」
「へー、僕知らないや。どんな特徴あんの?」
「とにかく運動能力がたけーんだ。ジャンプなんかすげーぞ?1m以上は跳ぶからな」
「すごっ!飛行形態にならなくても生きていけるじゃん」
「……あと泳げることだな。ベンガルはヤマネコとイエネコ、それぞれの特徴引き継いでるから、元々ヤマネコにあった、水が大丈夫っつー特徴も引き継いでんだぜ」
そうなのか、普通に勉強になる。
セツもうんうんと頷きながら時折驚いたような表情をしてシピの猫解説を聞いている。
さすがは好きなだけあって知識量も多いんだな。
コメットは感想を述べながら自分の知識も織り交ぜて相槌を打っている。
それにしても二人に初めて会った時のループでも、コメットは猫について尻尾を引っ張ると飛行形態になると話していた。
記憶喪失の僕でもそんな機能がないことぐらいは分かる。
一体どういう教育を受けたんだろうか………
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