• テキストサイズ

【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第4章 My sweet honey【沙明】


カーテンから微かに降り注ぐ朝の陽射し。
顔に当たるその仄かな光に眉をひそめて目を覚ます。
俺の腕から感じる体温にまた眠りそうになるがいい加減起きなければ。
ふと隣を見やるとまだ夢の中。
コイツもそろそろ起こさなきゃな。
「おい、起きろ〜。朝だぞ?」
「ん〜……」
俺よりも高い声。女だから当たり前か。
可愛らしい声で唸り、彼女もゆっくりと目を開ける。
小さく欠伸をした後にこちらを見つめて微笑んだ。
「グッモーニン、マイハニー」
「ん、おはようだーりん……」
まだ眠気が覚めやらないのか舌足らずに喋ってる。
おはようのキスをすると擽ったそうに身をよじる彼女。
これがハニーとの朝である。なんて幸せな。
俺は最近ツバサと結婚したばかり。
まあ所謂世間で言うところのラブラブな新婚ってワケだ。
新居も買ったし、仕事である研究も成功してる。
失敗の言葉を知らないかのように上手くいっていた。
「まだ眠いよ……寝ちゃだめ?」
「そーやって可愛くおねだりしてもダメだっつーの。いい加減起きろ」
「はーい」
こんな感じで半分寝ぼけてんじゃねぇかって思うぐらい超ゆったりしてる。
目を擦りながらベッドから降りるツバサ。
マジで可愛すぎる。もうコイツいるだけで宇宙救えんじゃね。
俺もベッドから降りて着替える。
ツバサの着替えシーンは後ろ振り返るだけで見れるけど怒られるからやめとく。怒っても全然怖くないけど。
俺は今日仕事休みだし、どうすっかな。
どっか行きてぇのはやまやまだが、どうもこの辺境惑星は自然ばっかで娯楽施設が少ない。
そうなると必然的に家にいることになるワケで。
朝飯食ったらツバサに聞いてみっか。
/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp